~産廃収集運搬業許可 講習会修了者~
産業廃棄物収集許可の条件の1つに講習会修了がありますが、これの対象者は役員か令六条の十使用人です。
多くの場合役員がなりますが、申請者の使用人の中に令六条の十使用人の対象者がいるならばそれでも良いことになります。
では具体的にどのような使用人でしょうか?
① 法令の確認
まずは法令でどんな人と定められているかを見てみましょう。
第六条の十
法第十四条((産業廃棄物処理業))第五項第二号ニ及びホに規定する政令で定める使用人は、第四条の七に規定するものとする。
ここで条文を二つに分けてみます。
1⃣(この)使用人は、法第十四条((産業廃棄物処理業))第五項第二号ニ及びホに規定する政令で定める者であること。
2⃣( 1⃣の条件を充たす使用人は)第四条の七に規定するものであること。
1⃣ 法第十四条((産業廃棄物処理業))第五項第二号ニ及びホ
使用人ならば誰でもいいわけではありません。
1⃣は欠格要件のことです。ここではまず使用人の属する申請者、法人・個人事業について定めています。
具体的には申請者が、
<法人の場合>
欠格要件※にひっかかる役員および使用人、そして暴力団等である役員および使用人が一人もいないこと。
<個人事業の場合>
欠格要件※にひっかかる使用人および暴力団等である使用人が一人もいないこと。
※1 欠格要件は11種類あります。法律の抜け穴を通られぬように、幾重にも条件を設定しています。案外そんなことが当てはまる?!場合がありますので、できればご確認いただくのがいいでしょう。
その具体的な中身はまたお知らせします!
2⃣ 第四条の七
第四条の七
法第七条第五項第四号ト、ヌ及びル※2に規定する政令で定める使用人は、申請者の使用人で、次に掲げるものの代表者であるものとする。
一本店又は支店(商人以外の者にあつては、主たる事務所又は従たる事務所)
二前号に掲げるもののほか、継続的に業務を行うことができる施設を有する場所で、廃棄物の収集若しくは運搬又は処分若しくは再生の業に係る契約を締結する権限を有する者を置くもの
※2 法第七条第五項第四号ト、ヌ及びルはこれまた欠格要件です。
※3 ここでは便宜上 上の一、二をまとめて「事業場」と表します。
法第七条第五項第四号ト、ヌ及びルの欠格要件をクリアできている場合に、政令使用人は事業場※3の代表者であるものとする。
これこそが令六条の十使用人がどういう人を示している部分です*
ただここに行き着ける者を欠格要件で厳格に制限しています。
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※2 欠格要件 法第七条第五項第四号ト、ヌ及びルは次の内容。
㋣ もともと産廃収集運搬業許可を持っていたが取消処分と聴聞の通知を受けた業者で、取消処分が確定するまでの間に廃業届を出してから5年が経たないものにつき、
取消処分と聴聞の通知の日前(つまり、その日から遡って)60日以内にここで役員か政令使用人であった者
㋦ 法人の場合に、欠格要件11種類※1のうち8つに当てはまる役員や政令使用人がいる場合
㋸ 個人事業の場合で、欠格要件11種類※1のうち8つに当てはまる政令使用人がいる場合
引用:G-GOV法令検索 廃棄物の処理及び清掃に関する法律、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令
※ 箇所により文言を言い換えております。
② 具体的な例示と注意点
法令上の内容を踏まえた上で、京都府、滋賀県の例示と対応をまとめます。
■共通認識■
申請する事業者は複数の事業所・営業所があるか、方々にあるような規模の事業者で、そのうちの一つが産業廃棄物収集運搬業の許可申請するにあたり、そこに役員がいない代わりに支店長等が令六条の十使用人となっているケース。
■各府県で異なる対応■
次のように対応は分かれます。
●共通認識にあくまで忠実に、従って厳格に令六条の十使用人を認定する。
●共通認識は前提にしつつも、申請事業者の実情に合わせて緩やかに令六条の十使用人を認定する。
■注意点■
産廃集収運搬業許可は、廃棄物の排出場所と運搬先の処分場の場所が違う府県にある場合、両方の府県の許可が必要です。
※ 詳しくはこちらへ
どちらにも講習会の修了証が必要ですが、片方では令6条の10使用人が認められても、もう一方では認められないことが十分にあります。
同じ人で講習会修了を迎えるのが手間・費用の上で一番いいですので、くれぐれもご注意を!
うちの場合はあてはまるだろうか?
こんなはお気軽にお声がけを。